小さな成功体験の積み重ねが、人やコミュニティを劇的に変える~「ポジティブチケット」

警察の仕事と言えば、一般的には犯罪を取り締まることですよね。

王立カナダ騎馬警察(RCMP)のリッチモンド署でも、長年にわたり、一般的な警察機関と同様の取り締まりを行い、同じような結果に直面していました。
再犯率は約60%にのぼり、青少年の犯罪が急増。

警察業務のほとんどが事後対応であると気づいた新任の署長ウォード・クラッパムは
「最初から罪を犯そうという気にさせない仕組みはつくれるだろうか?」と考え
「ポジティブ・チケット」(善行切符)という仕組みを作りました。

このチケットにはこう書いてあります・・「あなたは良い行いをしたので逮捕されました!」と。

よい行いをしている若者をつかまえてはこのチケットを与えます。
チケットをもらうと、映画館や青少年センターを無料で利用できたり
色々な景品と引き換えることができるのです。

リッチモンド署は年間平均で4万枚のポジティブ・チケットを与えました。
これは同期間に切られた違反切符の3倍にのぼります。

この割合は、先日の記事「褒める」はビジネスの世界でも実践されている!?の中でご紹介した、褒めるとしかるの割合は3対1がよいとするロサダの法則の比率になっています。

この結果はどうなったか・・・?

青少年の再犯率は60%から8%へ低下
犯罪数は全体で40%減少
青少年による犯罪は半減したといいます。
さらにコストは従来の司法制度の10分の1にまで抑えられました。

駐車場のパトカーを見つけると、子どもたちは逃げ出すのではなく、集まってくるようになったそうです。

『第3の案 成功者の選択』(スティーブン・R.コヴィー/ブレック・イングランド共著)では、不良少年だった息子の育ての母親が語ったこんなエピソードが紹介されています。

息子の部屋の壁にはポジティブ・チケットがピンで留められたままになっていました。何故チケットを使わないのか彼女が尋ねると、彼はこう答えたと言います。

「絶対に使わない。おまわりさんが言ったんだ。君は素晴らしい子だ。何でもなりたいものにきっとなれる、とね。だからチケットはずっととっておく。」

最近あなたが配ったポジティブチケットは何ですか?

出典:
「スタンフォード監獄実験」の逆は実行できるか